海外で不貞行為が行われた場合でも、不貞行為に基づく慰謝料請求は認められるのでしょうか。
裁判例(東京高等裁判所令和元年9月25日判決)では「不法行為の準拠法は、加害行為の結果発生地である(法の適用に関する通則法第17条)」であることを前提に、「複数の結果発生地がある場合における不法行為の準拠法は,最も重大な結果が発生した地を結果発生地とし、結果発生地間の結果の軽重を決しがたいときには最初に結果が発生した地を結果発生地とすべきである」と判断しています。
裁判例の事案は、アメリカのNY州に海外赴任をしていた中で夫が不貞相手との間で不貞行為をはじめ、約2年3か月後に日本に戻った後も約3年6か月不貞行為を続けた事案でしたが、結果発生地は日本であると判断され、慰謝料の支払義務が認められました。
なお、原審によると,NY州法では不貞行為を理由とする損害賠償請求はできないと判断されています。
上記のとおり、同種のケースの場合、結果発生地がどちらになるのかという点が重要な争点になってくるでしょう。
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